2025年10月4日~5日に本学で開催された、「会計理論学会第40回全国大会」において、本学経営学科 金子輝雄教授の「付加価値キャッシュ?フロー法人税の可能性」(『会計理論学会年報』第38巻(2024年刊行)掲載)が会計理論学会賞を受賞しました。この賞は、会計理論分野の学術的な発展に貢献する優れた研究業績に贈られる賞で、今回金子教授は論文部門での受賞となりました。
《論文概要》
近年の会計学研究の成果に基づいて、持続可能な社会の構築に向けて新たな法人所得課税のモデルを提唱している。現行の法人所得課税制度は株主資本利益計算としての企業会計を基礎としているが、安定的雇用、地域社会への貢献、自然環境との共生といった観点から、企業を社会的協働と分配の場ととらえる場合、課税の基礎はその企業が生み出す付加価値に転換される必要がある。これにより、広範な課税が実現する一方で、雇用、地域社会貢献、環境対策等の支出に係る各種控除制度を創設すれば社会分配の促進が期待できる。また、所得認識のタイミングを、発生主義から客観的なキャッシュ?フローへ変更することにより、担税力に即した課税、企業会計との棲み分け、即時償却による投資促進、受取配当の二重課税の解消等、簡素で持続可能な税制が実現するとする。
